なぜ、アメリカではスーパースターが多く生まれるのか?

なぜ、アメリカではスーパースターが多く生まれるのか?

2020年1月25日 教育

こんにちは、HILLOCK代表の堺谷です。

 

アメリカでは、音楽界やスポーツ界や、もちろんビジネスや理数系など全ての業界に置いて「スーパースター」がいます。

 

なので、あなたがニュースでよく見る超一流の方々も、実はアメリカ出身のケースが多かったりします。(もちろんアメリカ以外の国でもスーパースターは多いですよ)

 

ただ、「どうしてアメリカではスーパースターが多いのだろう?」と疑問に思ったことはないでしょうか?

 

今日のブログでは、そんな疑問を私、堺谷の「推測」も入れながら紐解きたいと思います(笑)

 

小学校2年生の教科書で「400」ページ!

HILLOCKでは毎週「STEM(Science、Technology、Engineering、Mathematics)」の時間で理科的発想の活動を行います。

 

幼稚園レベルでは珍しいと思いますが、理科の発想を入れていくと遊びもクリエイティブにより楽しくなります。

 

で、こちらの教科書を普段の活動でも使用しているのですが、アメリカの小学2年生が使っている理科の教科書です。

この教科書、分厚すぎるくらい分厚いです。ページ数なんと400ページ!(笑)でも、カラフルでキレイなんです。

 

大学で落ちこぼれたとはいえ、元理系人間だった私は目がキラキラしてしまいます。

 

2年生でこの量ですが、学年ごとに何度も「生物」「物理」「環境」のようなテーマが繰り返され、学年が上がるごとに内容が高度化していきます。

 

そして、内容的には小学5年生でDNAとか出てきたり、かなりレベルが高いです。

 

それと日本と異なり、貸出しで対応しているようです(最初の見開きに「何年に誰が使って、返却した」といった表があります。そういった文化の違いも面白いですね。)

 

さて、ポイントはここからです。

 

少し私の推測も含まれているのですが、この分厚すぎる教科書をどう使っているのかを考えると、教師がいくつかのテーマをピックアップして進めるのでしょう。

 

教科書の構成を見る限り、アクティビティやディスカッションも含まれています。

 

ただ、おそらく、ほとんどの子どもは全てを読むわけではないと思います。分厚すぎますから。

 

そのかわり、10人に1人か、100人に1人、本当に興味がある子はとことん深堀りできるようになっています。

 

各章のまとめの部分には、さらに勉強した人用のネット情報まで掲載されています

 

とことん興味を持った子どもは、好奇心を満たすために、先生に聞く、ネットで調べる、どんどん進んで、飛び級する、といった流れになるのかなと感じました。

 

だからこそ、才能は大きく花開き、スーパースターが生まれるのだと私は推測しています。

 

ただ、その裏で、内容が濃いために、いわゆる落ちこぼれもそれなりの数が出ると推測されます。

 

一方で、学年が上がっても、同じテーマが高度になった状態で繰り返されることも多いので、2年生の時に興味がなかったとしても、5年生で興味が出てくればキャッチアップ可能な枠組みとも言えます。

 

日本の教科書は?

一方で日本の教科書はどうでしょうか?

 

日本の教科書は、アメリカのそれよりもっと薄いと思います。そして、全員に支給される。

 

なので、教師はその範囲内で教えて、それを越える指導は推奨されないものの、限られた範囲の定着をテストで測ることがシステム化されているのでは?と推測します。

 

ちょっとまとめると、、、

 

日本方式:大多数に対して、限定的な範囲の理解を徹底していく(デメリット:上を目指したい子どもは押さえつけられる)

 

アメリカ方式:大多数の理解は深くないかもしれないが、一部伸びたい子どもにはどこまでも上を目指せる(デメリット:理解していない人がたくさん)

 

です。まあ実際にはこんなに単純化できないでしょうし、いずれの方式が正しいかは一概に言い切れません。

 

ですが、スーパースターやサイエンス系の天才を生み出すには後者の方が適しているのかなと思います。

 

何より楽しみだった理科の実験の時間

姉妹校キッズアイランドは、Kinder Classから理科の実験をします。これには私のこだわりが反映されています。

 

私が小学生時代に何より楽しみにしていた時間が、理科の実験だったからです。男子も盛り上がっていました。

 

フナの解剖で気持ち悪がる女子に「ぜんぜ~ん(こわくない)」と言えてうれしい、といったくだらない理由も多かったですが(笑)

 

ただ、とにかく「ワクワクした瞬間」がそこにはありました(私だけ?汗)。

 

ワクワク感が理科の命では?

ただ、負担が大きいこともあって、実験は昔に比べて減ったと聞いたこともあります。実験自体の教育的効果が明確ではない、という冷めた意見も目にしたことがあります。

 

ただ、(ティーチングではなく)ラーニングという観点からは、理科のモチベーションはこの「ワクワク」にあるはずです。

 

この「ワクワク」が好奇心を刺激し、知的な深堀りや探求が始まります。だって、あんなに楽しかったんですよ。実験が失敗したら余計に盛り上がったりして。

 

世界中が「理系科目重視」の流れです。日本は今後、どういう方向に向かっていくのか気になります。

 

「好奇心」というのは知識を得るばかりでなく、その過程で人間性も磨いていくものだと思います。ぜひ好奇心を大切にする理系科目のラーニング方法がどんどん出てきてほしいものです。

 

アメリカと日本の教育方針

書物やマスコミからは、「日本人はマジメで優秀だ」と思っている人(またはそう思いたい人)が多いような印象を受けます。が、他の国の人もマジメで優秀な人はたくさんいます。

 

ポイントは、「マジメ」の定義や方向性、「優秀」の評価の仕方なのかなと思います。

 

アメリカの理科の教科書ひとつ取っても浮かび上がってくる、教育とか学びの背景にある思想的なものの違いが見えてきます。

 

「学年毎に指導内容にキャップをかぶせない」
「上を目指す人には、豊富な情報・知識をどんどん得られる環境を提供する」
「やらない子・できない子もいるだろうけどそれも是とするアメリカ」

 

日本の場合は、学習「指導」要領の名が示す通り、一部の達人教師や先進的な取り組みをしている学校を除いては、当面は理科も含めて「教科書の範囲の知識をご指導」いただくことになるのでしょうか?

 

まあ、公教育なので仕方がないかという話になりそうですが、アメリカも公教育ですからね~お国柄の違いと言えば、そこまでですが、、

 

今回は、教科書の分厚さや中身から話を広げ過ぎて、かなり思い込み(+若干の恨み節)をお話ししたかもしれません。

 

でも、本当に言いたいことは1つだけ。

 

私が子どもだったら、教科書(次の年には見向きもしない)を無償でもらうより、貸出しでいいので中身を充実してもらって「あんな教科書で、ディスカッションとか実験とかしながら理科を学びたい」と思います。

 

そして、長期的にはその方がより多くの人が、より深く理科の本質に近づけるような気がするのです。

 

そして現実的には、当面は変わらないという前提で、まずは各家庭で自己防衛をしていくということになるのでしょうね。

 

民間で少人数制で、ディスカッションしながら学んでいくSTEM教育、どんどんいいものが出ている印象があります。

 

日本の教育も少しづつ変わっていきますね。

 

HILLOCK代表 堺谷

 

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