HILLOCK未来日記⑥ テーマ学習 後編
イントロダクション
いよいよマイプロジェクトも後半になりました。テーマ(今回は科学技術)への興味や知識を得たら最後は自分の考え・想いを表現するステージです。子ども達はどんなことを考え、表現するのでしょうか。
未来日記
前回、生き物の形には機能的な理由があることを学んだ。人間はその形を観察し、応用することで科学技術を発展させている。
「ねぇ、ぼくもこういうの考えてみたい!」
Kくんが言った。コウラーナーたちは自分たちの考えを表現する時間が大好きだ。
すかさずシェルパは
「今日は月曜だから金曜日のテーマ学習の時間に発表会をやろう!」
と提案した。
Kくんは構想を練っている。どんな生き物の、どんな特徴を使ってどんなものをつくろう…
家でもHILLOCKでも、頭の中にはずっとこの構想が渦巻いている。
ふと買っている猫のタマの顔が頭に浮かんだ。「そういえば、タマはいつも体を舐めてるな…どうしてだろう。」コウラーナーたちにとって疑問は学びとセットだ。
家に帰って、よくタマの顔を観察してみる。タマの舌には白いトゲトゲのようなものがあり、毛が絡まっている。「もしかして、猫の舌は体の毛を取るためなのかな?」
そう思い立って持っているタブレットで調べてみる。
なんとその仮説は当たっており、既にその特徴を応用した掃除機を作っている企業があるそうだ。
「いい発見をしたな、ぼくはこの発見をなにに使おう、毛を取ってくれるもの…」
ふとお母さんがお父さんのスーツの埃や絨毯の埃が取れないとぼやいているのを思い出した。
「そうだ!ネコの舌のザラザラを使ったブラシをつくろう!簡単に使えて、スーツとか絨毯を傷つけないやつ!」
そうすると自由帳を取り出し、設計図のようなものを描き始めた。 Kくんは絵に描いて表現するつもりだ。
いよいよ金曜日、みんなの発表会だ。
ある子は粘土で模型を作ったり、お話を書いてその中に作った道具を登場させた。Kくんも自信満々に自分の設計図を使ってプレゼンテーションをした。
発表会は大成功。作品の写真と発表会の動画はClassDojoを使って保護者に伝えた。
ClassDojoとは保護者とHILLOCKの連絡サービス。その日の活動を写真と文章で伝えている。
Kくんの作品を見た保護者は、「こんな道具があればいいのにねぇ〜、ねぇ Kくん、いつかこれを作ってみてね!」とリアクションをくれた。
自分の学びが誰かの役に立つような気がして、とても誇らしい気持ちになった。
余談だが、 Kくんのマイプロジェクトは蜂の探究だ。虫嫌いだった Kくんも最初のハニカム構造を詳しく調べるとその素晴らしさに心奪われたようだ。
ハニカム構造は強くなるだけだと思ったら、小さい巣の面積を存分に使える構造で、丸や四角よりも作りやすい構造だそうなのだ。また、絶妙な角度をつけて貯めた蜜を外にもれないようにするの角度になっているらしい。
学びの連続は新しい興味の扉を開いていく。
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今回のテーマ学習の特徴は理科を中心として、
①社会(企業がどのような商品を作っているのか)
②図画工作(自分の考えを絵で表現する)
③国語(資料を探す、読み込む。言葉と図で相手にプレゼンテーションをする)
③算数(面積、六角形の角度)
など、様々な教科を行き来しながら学習を進めるところです。
そのような学習を経て、コウラーナー達は知識をただ覚えるだけでなく、知識同士のつながりを学んでいきます。