バイリンガル考察
こんにちは、HILLOCKの堺谷です。
今日はインター生や帰国子女について少しお話します!
バイリンガルを目指していた私には、自分の苦労とは反対に、楽々と英語を使いこなしている帰国子女やインターの生徒をうらやましく思ったものでした。
恥ずかしながら表面上でしか見ていなかったわけですが、のちに彼らの実情を知るにつけて、当たり前ですが、それぞれの立場にはそれぞれの苦労のようなものがあるなぁ、と感じたものです。
◎インターもなかなか苦労が多そう
運営するプリスクールの外国人講師で、インターナショナルスクール出身の人がいました。
父がアメリカ人、母が日本人でした。
彼の英語は完璧なのは当然として、日本語もまったく問題なく、こういうのを完璧なバイリンガルというんだろうなぁ、と思っていました。
ところが、彼はこう言うのです。
- ・漢字ドリルを渡されて勉強したが、中学頃にイヤになってやめた。
- ・漢字は今でもそのレベル。難しい漢字が読めないので、最近は日本の中学生向けのドリルをやっている。
- ・文章が書けない。知らない日本語の単語いっぱい。
- ・日本語のほとんどはマンガとテレビで覚えた。
あるいは、少し状況が込み入ってくると急に難度が上がるようです。
- ・電話だと日本語の細かなところの聞き取りが難しい。
- ・友達同士での会話はいいけど、敬語の入るビジネスの会話は無理。
- ・家庭で日本語の人の中には、英語に難があって、どっちも中途半端な人もいる…
「なんだ、苦労するポイントは一緒じゃないか」
「どっちもできるようになるのは、やっぱり難しい」
基本的には、より広い世界を経験したことでハッピーに生きていますが、こと「バイリンガル」という観点ではインターナショナルスクールに通う生徒にも色々と苦労もあるようですね。
◎帰国子女も日本語・英語の両取りは難しい
基本的には、日本語と英語で「2倍の勉強」をしてね。
という話になってくるからで、いろいろとやることがある中、かなり大変です。
また、海外居住の多くは保護者の都合によるものなので、子ども自身が期間や時期のコントロールができないことも多いです。
- ・英語ができるようになる前に帰ってきちゃった
- ・結構長く行っていた割には英語が苦手…
そのレベルは様々です。逆に英語が強くなって…
- ・帰国子女というより留学生?という人
- ・流ちょうに日本語で話していたが、メモは英語とローマ字だったなどの人
一人ひとりの性格やタイミングによっても異なります。
- ・海外にいる間、水を得た魚のように楽しめた人
- ・行ってから最初の2年間友だちができなかった、というつらい経験のある人、もいます。
帰ってきてからの英語維持も人によって、時期によって大きく方法は異なります
・新しい生活になじむのに必死なのに、逆の言語も学ばなければならない(楽しくやれていたら別です)
結果として、ベストのタイミングで、日本と海外の暮らしがバランスされるとよいのですが、なかなかコントロールも難しい。
それに、これからの海外勤務は英語圏だけとは限りません。
英語も話せて堂々としているように見える帰国子女、その経験は宝物と言えるでしょうが、言葉については、人知れない苦労も多いようです。
◎それでもインター生や帰国子女の経験は貴重
インター生や帰国子女も「見た目の華やかさと違ってなかなか苦労も多そうだ」という話をしました。
日本の学校システムでバイリンガルになるのは大変ですが、高いレベルでバイリンガルを獲得するとなると、インター生や帰国子女でも簡単ではありません。
それでも私は、
インター生や帰国子女は、貴重な経験をしている。と思います。
なぜなら
①日本の社会に足りない「多様性にふれる」経験をしている、
②日本の同調圧力から逃れられる=自分らしくいることに対する不安感が小さい、
と考えられるからです。
私は、この「安全感と多様性」はこれからの時代を生きるキーワードだと思っています。
これらは、今の日本社会(特に役所や大企業)に大きく欠けているもので、それによって「わかっているけど変えられない」という事態が継続しています。つまり、「安全感と多様性」の欠如が、停滞を構造化させている要因だと考えるからです。
言葉のIssueやメリットを超えて、「生き方としてどうやってハッピーになるか」「いかにソリューションを提供できる人間になるか」という意味でもバイリンガルは大きく貢献してくれます。
◎まとめ◎
- 高いレベルでバイリンガルになるのは大変
- インター生や帰国子女は有利だけれども苦労はある
- バイリンガルは苦労してでも獲得する価値がある(言葉だけでなく、人生において)
少しでも参考になればハッピーです!
HILLOCK代表 堺谷
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